はじめに
子供の頃、近所の雑木林でよく食べた「木いちご」の味をときどき思い出すことがあります。今でも、その「木いちご」の木はそこにあるのですが、昔のように大きくみずみずしい実はならなくなりました。夏になるとそこに行くのですが、ほとんど実がなっておらず、なっていても小さく固い実があるだけです。鳥が食べてしまうと言われてます。
そんな昨年(2013年)の秋、サカタのタネのカタログ本を眺めていたところ、ラズベリーの苗が載っているではありませんか。ラズベリーは木いちごのことなので、後先考えず早速注文してしまいました。赤い実がなるマリージェーンという品種と黄色い実がなるワインダーイエローという品種を一本ずつ注文しました。11月に苗が届き、早速裏庭に植えました。が、冬になると葉が全部落ちてしまい、マッチ棒よりちょっと太いくらいの一本の幹だけに2本ともなってしまいました。
ラズベリーは寒冷地向き?
その後、図書館で調べたところ、家庭菜園の本2冊ともにラズベリーは寒冷地に適していて静岡県のような温暖地ではブラックベリーが向いていると書かれていました。さらにGoogle Scholar(文献検索)してみると、宮城県の農業園芸総合研究所のかたがいくつか論文を書いたりしていて、やはり寒いところのほうが適しているようです。近年需要が高まってきているが、ほとんどが輸入物で国産品の流通はほとんどなく、一方で果樹の多品目と比べて栽培管理が容易で宮城県では水田転換畑などへの導入が試みられているとも書かれていました。
芽が生えてきた
冬の間にすっかり葉が落ちてしまったラズベリーですが、2014年3月15日に裏庭に行ってみると黄色い実がなるワインダーイエローから芽が出ています。ちょっと感激してデジカメで写真を撮り、成長記録をとることにしました。
一方の赤い実がなるマリージェーンは芽が出ていません。
マリージェーンにも芽が
3月29日、心配していたマリージェーンにも芽のつぼみ?が出来ていました。
ワインダーイエローは順調に葉を増やしています。
順調に生育
4月になりました。ワインダーイエロー、マリージェーンともに順調に育っています。
マリージェーンに花が咲く
5月になると、ワインダーイエローに比べて小さかったマリージェーンに白い花が咲きました。ワインダーイエローは順調に生育していますが、花芽はまったくできていません。
マリージェーンに赤い実がなりました
6月になるとマリージェーンに赤い実がなりました。鳥よけネットも設置しました。
なぜか画像が残っていませんが、もう少し赤黒くなってから食べてみました。甘酸っぱくいい香りがしました。まさにフルーツケーキを食べた時の香りです。隣家のかたにすこし分けたのですが同じことを言っていました。この香りはブルーベリーの香りだったんですね。結局30個程度生ったと思います。
夏の状況
夏になり、どんどん大きくなってきています。特にワインダーイエローは高さが2mを超えています。が、結局一度も花は咲きませんでした。
ヒメコガネ
カナブン(後から調べてヒメコガネであることが判明)がいつからか、ラズベリーに飛んできて若い葉をたべるようになりました。日誌によると7/22に「ラズベリー:カナブンとり」の記載がありました。次の日にホームセンターから買ってきた農薬(ベニカVスプレー)を噴霧すると次の日から飛んでこなくなりましたが、7/26には再飛来の記録があります。しばらく記録を取らなかったのですが、8/2からは補殺した数の記録を取るようにしました。
8/2:4匹、8/3:3匹、8/4:8匹、8/5:5匹、8/6:7匹、8/7:6匹
このコガネは早朝に見に行くと、すでに葉をずいぶん食べていて黒いフンが葉に付いています。手で取ろうとすると羽根で飛ばずにコロッと落ちます。それを地面に落とし足で踏んづけています。昼や晩にはいませんので夜のうちに飛んでくるのだと思います。ほっとけばどんどん葉を食べられてしまいますので、毎朝早起きして捕っています。裏庭の早朝(5時半頃)ですので、蚊がたくさんいます。毎朝顔や首筋、手の甲をさされるので、今は長袖、長ズボン、ゴム手袋、ミツバチ農家の人がかぶるようなネット付防止をかぶり、そして虫取り網を持って捕りに行きます。薄い手袋だと手袋の上から刺されます。コガネは捕まえるときコロッと落ちて見失ってしまうので虫取り網で取ります。
不思議なことに品種によって葉っぱの味が違うのか、ワインダーイエローばかりに飛んできています。マリージェーンにはいままで3度ほどしか飛んできておらず、食べられた量も少ないです。
数日たって注意して辺りを見回すと近くに植えてあるサクラやキウイ、そして前庭のツツジにもいました。キウイ、ツツジはずいぶん食べられてしまっています。8/7に再び別の農薬を散布。しかし8/11には再び4匹、8/11:8匹、8/13:4匹、8/14:8匹、8/15:4匹、8/16:7匹を補殺。ここで今度は前回2回とは異なる農薬散布。またまた8/19には2匹,8/20:1匹補殺という状態です。
コガネムシが葉を食べるなんで知りませんでした。もうずいぶん踏み潰しました。いつまで、早起きし怪しい恰好をして踏みつぶす日は続くのでしょうか。
ヒメコガネのその後
ヒメコガネですが、結局9/4まで連続して飛んできていました。9/4に3匹補殺後農薬を撒くと9/14まで飛んできませんでした。が、9/14に2匹補殺、そして農薬散布。すると本日9/26までまったく飛んできていません。農薬の効果というより9月になって涼しくなったためと考えられます。
マリージェーンに花芽が。そしてワインダーイエローにも
9/20にいつもようにヒメコガネのチェックに行くとマリージェーンに花芽が出来ていました。購入時たしか春、秋の2期成りとの説明があった記憶があります。6本の枝のうち2本に花芽があります。
そしてついにワインダーイエローにも花芽らしきものが!こちらは12本の枝のうち一本です。
今(9/26)裏庭に行ってみてきたらマリージェーンは花が咲いていました。ワインダーイエローは粒が少し大きくなったくらいで変化なしです。
台風18号
10/5-10/6に掛けて台風18号が静岡県に上陸し、ラズベリーも強風および塩害でやられてしまいました。
塩害で葉が丸まってしまっています。
台風18号のその後
結局台風でほとんどの葉が落ちてしまい、ワインダーイエローは花が咲いていたのがそのまま枯れてしまいました。マリージェーンもほとんどの葉が落ちてしまいましたが、台風の前に数粒は受粉していたらしく、3粒ほど収穫できました。この頃はちょっとがっかりして写真はほとんど撮っていません。
2014年秋から冬へ
葉はほとんど無くなったのですが、その後枝の先から新しい葉が出てきて来ました。また地面からいくつもの新しい芽が出てきています。そしてマリージェーンは花が咲き、実が付きました。撮影したのは12月12日です。温暖な御前崎とはいえ朝は2度や3度に冷え込んでいます。こんな寒くても大丈夫なんですね。
ただし、すべての枝がこのように実が付いたわけではなく、受粉せず枯れてしまった枝もあります。
またワインダーイエローは新しい葉が出てきた枝が何本かありますが、花は咲きませんでした。